札幌市 中央区 内科 消化器科 胃腸科 健康診断 竹村クリニック
現在日本人の死因の一位は"がん"です。そしてそのがんの中でも肺がんと共に近年死亡数が増えているのが"大腸がん"です。男性では2009年には肝臓がんを超えて死亡率第3位にまでなり、今なお増加中で、女性では第1位になっており最も気をつけるべきがんと言えるでしょう。(下図参照)
(注)肺がんは気管、気管支のがんを、子宮がんは子宮頸がんを含む。
大腸がんは結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸のがんの計。最新年は年数(概数)
(資料)厚生労働省「人口動態統計」
また、進行した大腸がんが転移しやすい場所が肺です。このため、大腸がんを予防・治療することは、男性死亡率第1位の肺がん予防にも繋がる重要な事であるといえます。
着実に増えている大腸がんですが、他のがんと違っているのが、"治しやすい"ということです。
早い時期に発見すれば、手術によってほぼ完全に治すことができるのです。
がんが治ったとみなされる目安となる「5年生存率」(治療後5年間の生存率)は、がんの進行の程度や転移の有無によっても異なりますが、下の表のように「大腸がん」ではとても高い率を示しています。
表:がん治療後の5年生存率
大腸がん | 胃がん | 肺がん | |
---|---|---|---|
ステージⅠ/Ⅰ期 | 91% | 93~99% | 70% |
ステージⅡ/Ⅱ期 | 81% | 68~72% | 50% |
ステージⅢ/Ⅲ期 | 58~69% | 30~46% | 25% |
ステージⅣ/Ⅳ期 | 13% | - | 7~16% |
(数字が小さいほど早期がん)
"大腸がん"と診断された場合、がんを放置することはできません。大腸がんは徐々に大きくなり、浸潤や転移をおこし、命を奪うからです。
がんの増大だけでも腸閉塞や出血を起こす原因となり、放置すれば死に至ります。このような理由から大腸がんを発見した際は、早期の治療が必要となります。
"大腸がん"は発症する前に大腸ポリープとして現れる事が多くみられます。
大腸ポリープの多くを占める腫瘍性のものは放置しておくと次第に大きくなり、 大きくなるにつれて"大腸がん"に変化する確率が高くなり、やがて"大腸がん"へと変化し増大していきます。
そのため、大腸ポリープ(及び"大腸がん"になったポリープ)の早期発見、早期切除は"大腸がん"の予防・治療の重要な要素となっています。
大腸ポリープを見つける検診は"大腸がん"の検診と同じですので、"大腸がん"発症後はもちろんのこと、発症前でも予防策を打つことが出来ます。
この事も「治しやすいがん」とされる理由の一つです。
大腸ポリープは既にガン化しているものも有りえるため、速やかな切除が望まれます。しかし、手術となるとそれ相応の期間入院となってしまいます。仕事の都合や育児中などで何日もの入院が難しい方などは手術を躊躇され、薬などでの治療が出来ないかと考える方も少なくありません。ですが大腸がんの治療の基本は、がんを切除しがん細胞を取り除くことです。「治しやすいがん」だからと侮っていては、完治は望めません。大腸癌の治療は手術による切除が最も効果的ですから,薬による化学療法を手術の代わりとすることはできません。
ところが、実は大腸ポリープの多くは入院の必要がある開腹手術を行わずとも、別の方法で取り除くことが出来ます。この方法ですと入院して頂かなくても大丈夫のため、「日帰り」ができます。このため、この方法は「日帰り大腸手術」と呼ばれています。
当クリニックでは、この日帰りでの大腸ポリープの切除手術を得意としております。入院することなく、その日のうちにお帰りいただける、体の負担も少ない手術です。一刻も早く治療の必要な方に、速やかに手術を受けていただける最新の方法です。
症状や進行具合によって治療内容は変わりますので、まずはお気軽にご相談下さい。
大腸のポリープの様子。早期に切除し、 取り除くことが大切です。
ポリープを切除した後。 手術開始から30分ほどで終了します。
切除した後はクリップで留めます。 塞がると自然に体から排出されます。